山調ブログ

山形調理師専門学校です。プロフェッショナルな調理師を目指す学生の皆さんの実習風景や学生生活のようすなどを中心に、ブログを綴ります。

2019年11月

 11月28日(木)、午後から山形第七中学校の2年生10名と引率の先生1名、合わせて11名の来校がありました。
 午前の部が早く終わったようで予定よりも到着が早まりました。実習が始まるまで少し間がありましたので、調理師としての働く場の違い(一期一会の料理を提供する場合や毎日のように利用する場合の大きく2つに分けていること)を説明しました。ちょっとだけ予備知識を入れてからの実習見学となりました。
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 その実習見学は、西洋料理を調理師科と調理高度技術科2年の2クラスを見学してもらいました。
 調理師科の実習は、オムレツを焼いている場面でした。先生の師範の後、学生の一人が焼いているところでしたが、自分の思い描いたように焼けずに、そっと「恥ずかしくて、中学生に見せられないです」、との弁。レシピも作業工程も決して難しくは見えないのに、出来不出来がはっきり判る料理です。先生の師範から実習に移っても、オムレツに苦心している様子がよく見えました。何度も、チャレンジしながら、一日も早くコツを掴んでもらいたいと願うばかりです。
 次いで、調理高度技術科2年の実習です。「牛もも肉のタリアータ」に取り組んでいますが、こちらは焼き加減の難しさを訴えていました。料理の進み具合で、何をどう段取りするのか、コミュニケーション力と周りを気遣うチームワークが大切ということを中学生には伝え、あっと言う間に講義の時間も終了してしまいました。
 高校生になってからの、またの来校を期待しています。
 


 
 

 朝の冷え込みが一段と厳しかった11月22日(金)。学校の窓から見える「月山~朝日連峰」はすっかり雪化粧になりました。
 本日、北村山高校1年次生24名と引率の先生2名、合計26名の皆さんに来校いただいきました。今年度これまで、中学校4校から訪問をいただきましたが、高校は初めてです。
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 金曜日午後は、総合調理(1-1調理師科)の実習です。その授業を見学してもらいました。先生の師範が見えるよう、鏡の角度を調整し、後ろで立ったままでも実習が見えるように調整しました。
 さらに、もう一つの実習室(日本料理とそばの実習で使用する部屋)も見学しました。本校の非常勤講師として山形大学から派遣を認めていただいている先生と、その先生の研究室の学生2名とで、試食の準備をしていました。県内のとある町からの委託で、メニュー開発をしていること。外国人観光客誘致に向けたメニューになり得るか、本校の学生のみならず、職員にも試食してもらって、アンケート集約をしてまとめるそうです。その様子もみてもらったところです。
 さて、北村山高校生は、3階の学生ホールで、「どんな人に食べてもらいたいか で卒業後は大きく2つに分けていくこと」 そのためにどんな学びをして、いつ頃就職先を決めているか など本校の現況を織り込みながら「人生は選択の連続」という内容で、30分だけお話を聴いてもらいました。見学・聴講の1時間は、アッと言う間に過ぎていきます。進路選択の参考になれば、幸いです。

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 北村山高校の皆さんを見送りしてからもう一度実習室に戻ると、調理高度技術科1年の皆さんが、試食・アンケートに協力しているところでした。私にもどうぞと勧めていただいたので、ご馳走になりました(写真上右)。4時過ぎに試食したので、夕食は食べることができませんでした。調理高度技術科1年の皆さんはどうだったのでしょうか。




 11月21日(木)、「麺屋 武蔵」から、麺師(料理長にあたると伺いました)杉山さん並びに池田さんそして卒業生の佐藤兆治(大番頭)さん・東海林聖也さんの4名が来校し、特別授業を行ってもらった。(下左写真、左から杉山さん・池田さん・東海林さん・佐藤さん)
 当日は、時間割を変更して、全学生がスープ・煮卵・チャーシューの作り方などを聴講した後、麺を茹でて試食をさせてもらいました。
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 スープ等の材料は、前日に運び入れてあります。動物系スープに魚介系スープなどは、時間を掛けて煮込まなければならないので、水曜日に仕込んであります。そのスープを作り込む材料がどんなものか現物を見せていただいた上で、前日に仕込んだスープを、それぞれ単独でどんな味がするのかも試飲させてもらいました。
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 「麺屋 武蔵」は、都内に15店舗を展開していますが、スープは店舗ごとに特色があります。本日は、動物系+魚介系に合わせるのは、海老油とのこと。早速、スライスした大蒜を香りづけのため炒めてから、甘海老の頭を大量の油で炒めながら、潰していきます。海老は、見る見るうちに赤くなり、潰す時間と共に濃厚な海老味噌の香りが漂ってきます。
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 次に、煮卵の準備です。茹でる前に、卵に穴を空けておきます。そうすることで、茹でた後の殻剥きが簡単にできます。店舗内では、一回で180個も茹でるそうですから、時間を掛けないで作り込む段取り(多くの先生方から出てくる言葉です)が大切です。沸いている湯に入れて、黄身が均等に真ん中になるように、軽くかき混ぜます。気温によって茹でる時間は多少異なるそうですが、下中写真のような緩さ?硬さ?にするのは、5分〇〇秒とのこと。皆さんも、色々な時間で快適な硬さを探していかがですか。小葱を切る音も軽やかで、思わず、1枚撮ってしまいました。
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 トッピングする材料も揃いましたので、麺を茹でていきます。時間との勝負です。茹で上がりの時間をめがけて、スープとら~麺ダレそして海老油を混ぜていきます。メンマ(塩メンマを戻して、東海林さんが授業前半に炒めたもの)、チャーシュー(前日仕込みの上、授業中にも焼いていたもの)、煮卵(タレに一晩漬けたもの)、ネギ(学生2人がかりで切りました)を盛り付けて完成です。(下左)
 各班にスープを配り終わった後のツーショット(下右)は、先生と教え子が並んでいるところです。「麺屋 武蔵」に務めて6年目。本校での授業も3回目を迎え、この度の特別授業は、全て大番頭佐藤さんの仕切りで行いました。
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 いよいよ、スープが配られて、自分たちで麺を茹でていきます。タイマーを見ながら、麺を箸で回していきます。麺師杉山さんから直接指導を受けている学生はドキドキです。
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 「チャーシューを切ってみたい方は?」と振られて、直ぐに手が上がるようですと、前向きと見られるところでしょうが・・・。いざ始めたら、二人に見守られて?見つめられて?、ますます緊張して、同じ厚さに揃いません。一方の麺は、下中の写真のように、麺を綺麗に揃えることが簡単ではないことが、判りました。麺が茹で上がった時、テボ(麺を茹でるざる)を傾けてラーメン丼に移せば良いところ、多くの学生は下右写真のように、自分の身体も一緒に傾いていきます。
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 貴重な体験をさせていただきました。慣れない道具をどう使いこなすか。一度の師範や見学だけでは飲み込めないものです。これまでの実習と同じです。
 段取り良く進める。整理整頓をして作業しやすくする。慣れないものにも手を出して、どんどんと自分のものにする。つまりは、
 『すべての道は、ローマに通ず』
ということです。貴重な学びと体験を提供して下さった「麺屋 武蔵」の皆さん、本当にありがとうございました。来年のご来校とご指導、お待ちしております。またよろしくお願いします。













作成班  : 調理高度技術科2年2班4名
タイトル : 「秋の彩(いろどり)御膳」
メイン料理: 合鴨と里芋の炊き込みご飯 ~ 締めにお茶漬けを ~
オードブル: 海老・きのこの酢橘ゼリー、毬栗、鯵の南蛮漬け
デザート : 三種の里芋揚げ団子
JA全農山形賞2686
狙い   : 里芋の食感を変えたいと、茹でた里芋を裏ごししてから揚げると、表面はサクッと中は
      ホクホクに仕上るのではないかと考えました。菊は香りと色合いを生かすため、見た目に
      もわかりやすい料理の色付けにとアクセントとして活用しました。
レシピ
「鯵の南蛮漬け」(下の写真・上の品)                    
①鰺は、三枚におろし、半身を薄力粉をつけてから180℃の油で揚げる            
②サラダ油で生姜を炒め、香りを出す。くし形に切った玉葱、千切りにした人参、細切りにしたリンゴの順に入れる。
③全体がしんなりしたら、赤唐辛子と共に、漬け汁に移す。
④③をひと煮立ちさせ、揚げた鰺を熱いうちに入れ、漬け汁に漬け込む。

「海老・きのこの酢橘ゼリー」(下の写真・下の品)
①海老を、腹開きにする  
②エリンギの軸は八等分に切り、下茹でした海老と共に塩で下味を付けてからオリーブオイルを絡め、バーナーで炙る。
③銀杏は油で揚げて、松葉串に刺しておき、②と一緒に器に盛り、酢橘のジュレをかけて、出来上がり。              
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「合鴨と里芋の炊き込みご飯 ~ 締めにお茶漬けを ~ 」(下左の写真)
①人参、小葱も加えて、鶏ガラスープ・塩・醤油・味醂で味付けをしてから、お米を炊く。
②合鴨は、塩をふってから、表面を焼いて、さらにオーブンで10分ほど焼く。
③里芋を茹でて、一口サイズに切ってから、揚げる。
④焼き上がった合鴨は5㎜角程度に切り、揚げた里芋と一緒に、①のご飯に混ぜ合わせる。
⑤締めの昆布茶漬けのために、薬味は、「小葱は小口切りで」と「刻み海苔」を用意し、お好みに合わせてかけてもらう。
炊き込み2686団子・毬栗2686
「三種の里芋揚げ団子」(上右の写真・上の品)
①里芋を茹でて、裏ごしをしてから、塩で下味をつける。
②菊は酢を入れたお湯で茹でてから、しっかりと水気を取り、①と和えて一口サイズに丸める。
③②の里芋団子3つにそれぞれ黒胡麻、白胡麻そして卵白をつけた上から粗くくだいた煎餅をつける。
④③を油で揚げる。
「毬栗」(上右の写真・下の品)
①白身魚のすり身をすり鉢であたり=(擂り・すり)、酒少々を加え、片栗粉を入れる。
②①の生地で丸くくり抜いた大根を包む。
③②に卵素麺を差し込むようにしながら、全体につけて、油で揚げる。
④十字に切り込みを入れて、中の大根を取り出し、代わりに栗の甘露煮を入れる。

 写真にレシピを添えて紹介しました。
 菊の花が目に鮮やかに映り、秋の深まりを感じる紅葉の葉をあしらい、銀杏や栗は豊穣な収穫を思わせる一品になりました。
 決して奇抜なアイデアから生まれた料理ではなく、これまでの実習の中で取り組んできた品々を、季節感溢れる素材を用いて、そして自分たちの等身大の技術で作り上げてきた。と評価したいと思います。一番になれなかった残り18班の学生も、この作品を目に焼き付けながら、コンクールを閉じました。












 

 いよいよ試食しながらの味の審査と、盛り付け・色彩を見た上で、テーマに対する工夫を評価する時間となりました。審査員の皆さんは、甲乙つけがたいと異口同音におっしゃいますが、最後は判断せざるを得ません。昼食を取る時間もままならない中、厳正なる審査をしていただき、本当にありがとうございました。
 賞は、クラス毎(調理師科1-1、調理高度技術科1年2-1、調理高度技術科2年2-2)に優秀賞を決めた上で、その中で最も審査の五項目「身だしなみと手際、色彩、盛り付け、味、テーマに対する工夫」に合致した作品を、最優秀作品としてJA全農山形賞を授与します。また、優秀賞の次点には技能賞・敢闘賞・努力賞を授与しました。
 入賞作品は、次の通りです。
 努力賞2点。
努力2695努力2701
敢闘賞・技能賞各1点。
敢闘2707技能2689
優秀賞3点と最優秀賞1点。
優秀2698優秀2704
優秀2692JA全農山形賞2686
 最優秀作品がどんなレシピなのかは、次回改めて紹介します。
 なお、閉会式では、特別審査委員長の「日本の宿古窯 グループ経営戦略本部 仕入れ・衛生管理部/商品企画部」部長 丸山貴史氏 より、『衛生管理は当然のこと、グループとしての分担の手際の良さ、整理整頓といった調理作業の基本を重点に採点した。見た目や味だけではなく、どう工夫したかを判断して、結果的には2-2の作品を選んだ。提供食材から、メニュー作成に困ることは予想したが、皆さん本当によく考えて、良い作品に仕上げてきた。』との講評をいただいた上、『人は大きなことを成し終えるとフッと息を抜きたくなるところですが、明日も休まず勉学に励んでいただきたい。』と激励のお言葉まで頂戴し、大いに元気付けられた閉会式となりました。





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