本校に入学してくる人の中には、社会人を経験してから調理師資格を希望して来られる人がいます。東根温泉の旅館「さくら湯」の若女将、五十嵐桃子さんもそんな一人です。五十嵐さんは、はじめは蔵王温泉の旅館で三年ほどフロントや接客の仕事をしていました。旅館の魅力は、「料理」と「施設」と「温泉」だと言われますが、そんな中で板前さんの人柄や経験を知り、若女将修行の一環として自分も料理の基礎を学びたいと、調理師学校に入学することを考えたそうです。

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たまたま、実家の旅館を担当してもらっている税理士さんから、厚労省の専門実践教育訓練給付金制度の話を聞き、ハローワークで確かめたところ、自分も該当することがわかりました。制度が開始して初めての年度でしたので、給付金申請のための書類を書いたり必要書類を整えたりするのに時間がかかったそうです。でも、なんとかこの制度の県内第1号として、山形調理師専門学校の調理師科に入学することができました。

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(写真提供:「さくら湯」)

入学しての学生生活は、本当に楽しかったそうです。社会人の目で見てしまうと、若い学生さんたちののんびりとした意識に、少々ずれを感じたりもしましたが、毎日の授業と調理実習に加え、夏休みのリゾートホテルでの研修や、日本料理の佐藤貞次先生のお手伝いをした山形市公設卸売市場の料理教室など、とても勉強になったそうです。実習だけでなく、衛生管理の面は、専門的な見方ができるようになり、今の旅館業でも大切なポイントにしているそうです。

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sakurayu-04-shadowing(旅館「さくら湯」の料理の一例。写真提供:「さくら湯」)

今の立場ですと、直接に包丁を握ることは少ないわけですが、板前さんを希望する人たちの感じ方や考え方を知ったのはとても良かったし、盛り付けされた見事な料理の背景にある下準備の大変さがわかるようになったことは、とても大きな財産だとのことでした。

では、学生の皆さんへ一言、お願いします。

「学生生活に悔いのないように、調理のことで興味あることはとことん追求してください。社会人になると、本当にできないことが多いんです!」

なるほど。では、給付金制度を利用して調理師を目指す社会人の方へ、一言お願いします。

「手続きは大変ですが、給付金はとてもありがたかったです。強い思いを持って、給付金を活かせるように頑張ってください!」

ありがとうございました。