11月5日の朝には、「平年よりも遅くはなったが、月山(18日)・朝日岳(14日)・蔵王山(12日)のそれぞれで、初冠雪を観測した(カッコ内の数字は平年よりも遅い日数)」と報道がありました。すこしずつ冬が近づいてきました。
 さて、季節は、身の回りの光景や肌に当たる風だけで、感じるものではありません。
 そうです。料理の食材にもまた、季節感が溢れています。
 今日は、日本料理の実習を紹介しましょう。
 「南瓜のそぼろ餡かけ」と「※小田巻き蒸し」が課題です。寒くなりかけたこの時期に最適です。
 先生の師範が終わると、「段取りを考えて、手分けして調理するように」と一声が掛かり、二人で南瓜に取り組む班は、当然作業が早く進みます。調理師科は、1年で調理師免許を取得しますから、実習は来年2月14日(金)で終わってしまいます。折り返し地点を通過し、日々の実習を大切にしていることが、先生の師範を見ている様子から見て取ることができました。
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 他の班の様子も見ていきます。南瓜は、一口サイズにした上、皮はまだら模様に、他は面取りをして煮崩れしないように手を加えていきます。大きさはもちろん食べやすいサイズ、そして口に入れた時の感じ方が滑らかになるよう下準備が施されています、その後は、火が通りにくい皮を下にして煮込んでいきます。
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 始めは強火ですが、沸騰し始めたら、弱火にしてキッチンペーパー(穴を空けておきます)で蓋をします(上写真右)。
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 南瓜の煮込みが始まると、小田巻きの準備とそぼろ餡かけ作りに、こちらも手分けして行います。
 普段の生活でも使えそうなアドバイスがありました。家庭の台所でもそうですが、卵を割るときは、何かの角を使うと殻が細かくなってしまうので、万が一容器に入ると手が掛かります。そこで、「丸い八斥お玉の裏などを使って割ると、殻が大きく割れ、混入しても取りやすくなる」そうです。知らなかった方は、是非試してみてはいかがですか。
 さて、上右の写真は、鶏をそぼろにしている様子ですが、箸4本で書き混ぜていきます。この方が、短時間でバラバラになっていきます。
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 次いで、だしを入れて煮込みますが、この時、鶏肉から出てくる「油」を丁寧に取っていきます。さて、隣の鍋では火を通していたうどんが茹で上がりました。水で〆た後、生醤油で下味をつけて、親指に巻いて、小田巻きの下準備です。そして、茶わん蒸し同様に、鶏肉、椎茸、三つ葉によくといただし卵(卵が沈むので、入れるまえかき混ぜておく)を加え、具材を浸し、泡が残っていないかを確認しながら、蒸かしていきます。「蒸かし」は「最初は強火で、湯気が出始めたら、弱火」と火加減が大切です。

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 「初めから火が弱すぎると卵が固まりません。強すぎると、固くなりすぎますし、穴ポコだらけになりますからね。」巡回指導で何度も、先生がおっしゃっていました。全ての班が、右上の写真のようにできたのでしょうか。

 「ローマは一日にして成らず」
 でも、「ゆっくり急げ」。

 『でも、「ゆっくり急げ」。むやみに急いではいけない。だらだらとしていてはもちろんいけない。平常心を失うことなく先を急ぐ、という心である。生き方の教えとも、仕事の心得とも解される。』
(外山滋比古 老いの練習帳 巻頭言より抜粋)

※正式には、小田巻きではなく、「苧環(おだまき)」と書くそうです。詳細は、日本料理語源集から抜粋した文章を掲載します。『「篠のおだ巻きくり返し」などと言われるように糸くりのことですが、糸状のものが使われているという意味です。寒い時に美味しいので、繰り返して賞味したくなるところからこの名が付いたことでしょう。』