治部煮は、加賀藩の時代から親しまれている金沢の郷土料理だそうです。片栗粉をまぶした鶏肉(鴨肉でも良いそうです)を季節の野菜と粟麩(今日は 生麩(なまふ)に粟をまぜて蒸し上げたものを使います 金沢では、すだれ麩=生麩を「すだれ」に包んで茹でたもの を使うそうです)と煮合わせますが、鶏肉の片栗粉でとろみがでてきます。名前の由来は、諸説あるようですが、「人名に因む」とか「じぶじぶと煮る」とか、佐藤先生からもお話がありました。
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 もう一品は、前期試験の課題でもあります「烏賊のお造り」です。
 具材は、ご覧の通りです。
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 初めに、胡瓜と人参の飾り切りから始めます。
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 烏賊は、一人一杯です。
 下足を外すため、腹の中の吸盤を外します。そうすると、下に引きずるだけで、下足・腹綿と身とに分かれます。下足から、口そして目を外していきます。
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 身の皮を綺麗に取り、開いてからも内側のワタも取り除きます。
 身には縦に切れ目を入れ、下足にも入れていきます。キュウリを中に入れて、海苔を巻いていきます。柳包丁の使い方に加え、左手の人差し指の添え方を教わった後は、見違えるような包丁捌きになります。下足は、湯引きしてから、食べやすいように2本ずつにします。耳(エンペラ)も、一緒に湯引きして、細切りにしていきます。この時間帯になってくると、先生からは「次の盛り付けを考えて、皿を用意する。盛り付け用の胡瓜と人参は、水切りをしておく」と、手元以外にも気配りをするよう、細やかな指示が発せられます。
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 先生の盛り付け例を携帯で見比べながら、皿に盛っていきます。
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 見ているようで、・・・。
 冒頭の先生の盛り付けと見比べてみると、よくわかります。四角の皿に、魚を真横には盛り付けしません。その基本をしっかりと抑えていかないと、前期試験は?。
 一方の、治部煮は、各班で分担しての調理となります。
 粟麩は、弱火で焼き目を付けていきます。中には、強火で焦げ付いてしまう班も見受けられる。
 鶏肉は、片栗粉をまぶします。鍋に入れる時は、一切れずつ丁寧に、もう一度片栗粉を落としながら入れていきます。この仕事が結構疎かにしている班や、鍋で煮込む位置取りが乱雑な班も見受けられる。丁寧な仕事、段取り良い仕事を佐藤先生から求められています。
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 いよいよ、最後の盛り付けです。
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 肉だけを器に移しとります。そうすると均等にできますし、作業が単純化します。これ実は、先生からの指摘を受けてからです。
 そのような指導を受ける前に、盛り付けを済ませてしまった班もありました。これ、何か変ではありませんか?。中国の孫子には、「巧遅は拙速に如かず(こうちはせっそくにしかず)」というくだりがあります。これは、上手だが遅いよりも、下手でも速いほうがよいという意味です。闘い方としては、良いかもしれませんが、調理の世界では、受け入れがたいものがありますね。
 「学ぶ姿勢を謙虚に持つべき」ということですね。