一方の「雁もどき」については、精進料理(=もどき料理)で肉の代用品として作られ、名前の由来について諸説あるようですが、最も知られているのは雁の肉に味を似せたとされることから「がんもどき」だという話です。また、鳥類の肉のすり身を鶏卵大に丸めて煮たり蒸したりする料理「丸(がん)」に似せて作ったという説もあると、伊藤先生が名前の由来を紹介しながら実習の説明が進んでいきます。
本日のもう一品は、「茸のホイル蒸し焼き」です。
学生は、手分けして調理に取り掛かります。
まずは、飛龍頭作りの様子から紹介しましょう。
重石を載せ絞った木綿豆腐を裏漉し、さらにあたり鉢に当て、その中に自然薯に近い粘り気を持つ「大和いも」を加えていきます。
ここに、銀杏・木耳・人参を茹で冷ましたもの、さらには帆立も加えて、ゴム箆を使って、混ぜ込みます。
ポイントは、フワフワ感が出るように空気を入れていくところです。
一度だんごのように縛り取り、手に油をなじませて丸めていきます。油の温度は、160℃程度でじっくりと、揚げていきます。火が通って、浮き上がってきたら出来上がりです。
「茸のホイル蒸し焼き」には、生の鱈ではなく、塩鱈を使います。
うすい塩水に漬けておき、塩分を抜いておきます。これは、真水に漬けるよりも、魚から早く塩分が抜けていくためです。次いで、霜振りをします。鱗のぬめりが臭みの原因となりますから、表面にぬめりがないか確認をしていきます。この時、皮が破れないように沸騰しない程度の温度で下処理をしていくことが大切です。
アルミホイルを2枚敷き、水気を取った鱈を置き、飾りを入れた椎茸、旬の占地そして舞茸を添えて、出汁を加えてから包みます。
オーブンシートを敷いた上に、ホイルを置いて、約10分加熱をします。
オーブンから取り出して、小葱を入れようとしたホイルを開けた瞬間の「香り」をお伝えする術がないのが、残念です。
茸のホイル蒸し焼きが出来上がった頃合いに、飛龍頭の盛り付けが完了しました。
手際よく後片付けを済ませて、「いただきま~す」。
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